開催中の展覧会
後援:磐田市/浜松市/中日新聞東海本社
シルクロードの神々とほとけとその物語
『シルクロードの神々とほとけとその物語』展に寄せて
いくつかの世界宗教は「神が人を創った」とのたまう。しかし実際には「人が神を創った」のである。だから、昔から神は人に似た姿で創られてきた。古代エジプトやメソポタミアで人に似た神像が創られ、その伝統は地中海世界に伝播し、古代ギリシアで集大成された。ギリシア人は「オリュンポスの12の神々」をはじめ、水や風や空気、さらに眼に見えない「正義」などの観念など、なんでも人間の姿で造形した。このような方法を「神人同形説」とか「神の擬人化」という。この人間中心的な考えは、アレクサンダー大王の東方遠征の結果、アジアの各地に移民したギリシア人によって伝えられて広まり、アジアをギリシア化せしめた(ヘレニズム文化の誕生)。それを如実に語るのが歴代の諸王朝が発行したコイン(金属貨幣)である。コインとは国王肖像と共に神々が表現された彫刻のミニアチュアであり、そこに表現された多種多様な神々の像は、シルクロード文化・美術の継続性と変遷を明示する、確かな証人、目印となった。
南アジアでは地母神像は古くから造られ流行していたが、ギリシアの「神人同形説」がまず最初に仏教に、次にバラモン・ヒンドゥー教に取り入れられて、新しい多くの神々や仏、菩薩などが創造された。
本展は、人が、どのような職能(役目)を持った神々を、いかなる姿で表現したか、その多様な神々の姿を知ってもらうために企画した。展示は以下の四つの分野から構成されている。
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ガンダーラの神々とほとけ
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インドの神々
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西アジア、エジプトの神々
(4)コインの神々
小規模な展覧会であるが、神々の姿とその職能(役目、役割)に触れて、シルクロード文化を担った多数の無名の人々に対して、暫時、想いを馳せていただければ幸いである。
シルクロード美術史家(文学博士・元金沢大学教授)田辺勝美
ギャラリートーク開催!
作品解説 シルクロードの神々から読み解く文化の融合と発展
9月8日(日)、15日(日)午後2時〜*先着20名様となります。
公益社団法人 教育演劇研究会
劇団たんぽぽによる
オリジナル脚本演劇
インド神話「乳海攪拌」
ビデオ上映中
金工の魅力
日本では、鍋やはさみなどの実用品から、仏教美術や刀剣、
茶道などの日本文化を彩る作品まで、金属を加工した様々な
工芸品(金工品)が、古くは弥生時代から作られてきました。
「金工」はひとの暮らしを便利にしながらも、強く憧れを抱
かせる美術品を生み出し、古来より多くの人々を魅了して
きました。
中秋の名月 特別展示
日本画
「月明かり」
田渕俊夫
日本藝術院会員 文化功労者顕彰
日本画家・田渕俊夫(1941-)は、「感動」する心を 制作の原点に、植物や風景画を中心とした作品を発表 しています。それらは、画家が目にした一瞬の時が印象的に描かれており、さらには悠久の時を感じさせる壮大さをもつ作品となっています。アフリカ、イタリアへ遊学、秀逸な色彩と描線の美しい端正な画風で高い評価があり、日本画制作のかたわら多様な技法による銅版画の制作にも打ち込んでいます。
満月に照らされた山村の風景。その繊細な描写は、 月の神々しさのみならず、山村の空気さえも感じさせる自然の神秘的な尊さを描きがげている作品です。
堀越宗円遺愛の品 秋の特別展示
八田窯
撫子汲出し茶碗
八田窯 八田円斎
銀唐草文汲出し茶碗
京焼 四代 久世久宝
色絵菊画汲出し茶碗
バカラ 春海コレクション
グラス 金縁千筋・菓子鉢 金縁霰切子(あられきりこ)
江戸切子
色入切子平鉢・切子色ガラス
大阪の古美術商「春海商店」三代目春海藤次郎が大正期にバカラに発注したオリジナルの茶道具のコレクションと、江戸切子の展示となります。バカラ 春海コレクションは、多くの茶人の間では「春海好み」と称され、深く愛されるようになった作品ですが、茶事には焼き物が当たり前だった時代に西洋のクリスタル器を茶事に用いる事はなかなか難しい時代だった時に、堀越宗円はこのガラス製の菓子鉢を茶事に水指として使用した最初の茶人とも言われています。江戸切子に用いる「霰文(あられもん)」をクリスタルで再現、あえて鋭利に仕上げたカットは、器を手にした時に微かに感じる痛みで、夏の清涼感を与えるための指示だったそうです。
二代 浅蔵五十吉と 二代 徳田八十吉
九谷焼を代表する作家二人の作品の特集です。
九谷の伝統色とダイナミックな構図と圧倒的な画才に魅了されます。
平山美知子 木版画 『猫』
原田泰治 木版画 『ねこ』
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