開催中の展覧会
後援:磐田市/浜松市
新収蔵品によるペルシア陶器展

新収蔵品によるペルシア陶器展に寄せて
シルクロード美術史家・文学博士 元金沢大学教授
田辺勝美
イスラム/ペルシア陶器は原則としては破片を繋ぎ合わせている。割れていない完形品は稀である。先史時代やパルティア、ササン朝時代には土器や陶器は墓の中に副葬品として埋納されたので、完全無欠な姿で残った。しかし、イスラム教徒は墓に副葬品を入れないから、ペルシア陶器は墓から出土したものではない。基本的にイスラム陶器は全て、破壊された建物(バザール、モスク、隊商宿、学校、民家)の中や窯址から発見される。それゆえ、割れているのが当たり前で、完形品は少ない。また、産地と出土地の特定が難しい。大半のイスラム陶器は盗掘品で、テヘランなど都市の古美術商の店に運ばれた。古美術商は本当の出土地を偽って客に伝える場合が少なくない。さらに、イスラム陶器は交易品であったから、産地から遠くへ運ばれた。その結果、イラン産が、ウズベキスタンで出土したり、また、その逆もある。本展覧会のペルシャ陶器に、ニシャープール(現ネイシャーブール)、ゴルガーン、サーリー、アモール、サーヴェーなど産地が書かれているが、それは産地の場合もあれば、出土地の場合もあることに留意されたい。ニシャープールはイラン北東部にある都市遺跡で、ペルシア陶器の代表的産地であるが、1936~40年にかけてメトロポリタン美術館が行った遺跡の発掘によって大量の作例が出土した。一方、トランスオクシア(オクサス川以北の中央アジアをいう)産の陶器は19世紀末にサマルカンド(アフラシアブ)で発掘がロシア人考古学者によって行われ、多量のイスラム陶器が出土したので、古くから知られていた。今回の展示品の中にニシャープール産のものに混じってトランスオクシアナ産が含まれているのは、両方の地域が交易を通して交流があった結果を示している。恐らく、おそらく、11~12世紀頃にオクサス河以北からニシャープールに運ばれたのであろう。
今回の展示品の大半は1950年代の後半に、テヘランの古美術商の店で購入された、非常に古い収集品である。1956~59年にかけて、東京大学イラク・イラン遺跡調査団がイラン南部で発掘を行った。それに同行した朝日新聞者の記者が、同調査団団員の考古学者や美術史学者の見立てなどを参考にして購入したと思われる。いくつかの購入品が優品であるのは、そのためかもしれない。その購入品の一部は、1961年に銀座の白木屋で開催された「ペルシャ美術展」(朝日新聞社主催)に出品され、我が国においてペルシア陶器ブームが起こる「きっかけ」となった。

陶額
「壺に紅梅」
浅蔵五十吉
平成8年(1996年)九谷焼作家として初の文化勲章を受章。
長い歴史と伝統を誇る九谷焼の流れを受け継ぎながら、意匠、技法、形態それぞれに新たな工夫を重ね、現代感覚を生かした独自の作品世界を見事に切り開きました。その歩みは、初期から雄大な自然をテーマにした色絵で一貫していますが、一つの様式を完成すると次の段階でまったく斬新な色、形、技法に挑戦するといったバイタリティーに溢れていたといわれています。
春の特別展示
『堀越宗円ゆかりの婚礼衣装』2月11日まで
堀越宗円遺愛の品
今戸焼 八世 白井半七
檍梅湯呑
今戸焼 八世 白井半七
松竹梅繪茶盌
清水焼 六代 清水六兵衛
赤繪七寶茶盌
シルクロードギャラリー
Barateru
カナデルヨウニ
カオルヨウニ
フラワーアーティスト/スタイリストとして活躍する
Barateru 堤照美さんの個展。
これからのシーズンに合わせた華やかで、センス抜群のスワッグ、デコレーション、そしてお正月飾りなど、新作の展示販売会です。
毎回好評を頂いているワークショップでは、備前焼作家・井口淳さんとのコラボもあります。
2024年
11月21日(木)〜11月24日(日)
10:00〜15:00(最終日16:00まで)
シルクロードギャラリーにて
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