
開催中の展覧会
大好評により、5月11日(日)まで延長決定!
後援:磐田市/浜松市
新収蔵品によるペルシア陶器展

新収蔵品によるペルシア陶器展に寄せて
シルクロード美術史家・文学博士 元金沢大学教授
田辺勝美
イスラム/ペルシア陶器は原則としては破片を繋ぎ合わせている。割れていない完形品は稀である。先史時代やパルティア、ササン朝時代には土器や陶器は墓の中に副葬品として埋納されたので、完全無欠な姿で残った。しかし、イスラム教徒は墓に副葬品を入れないから、ペルシア陶器は墓から出土したものではない。基本的にイスラム陶器は全て、破壊された建物(バザール、モスク、隊商宿、学校、民家)の中や窯址から発見される。それゆえ、割れているのが当たり前で、完形品は少ない。また、産地と出土地の特定が難しい。大半のイスラム陶器は盗掘品で、テヘランなど都市の古美術商の店に運ばれた。古美術商は本当の出土地を偽って客に伝える場合が少なくない。さらに、イスラム陶器は交易品であったから、産地から遠くへ運ばれた。その結果、イラン産が、ウズベキスタンで出土したり、また、その逆もある。本展覧会のペルシャ陶器に、ニシャープール(現ネイシャーブール)、ゴルガーン、サーリー、アモール、サーヴェーなど産地が書かれているが、それは産地の場合もあれば、出土地の場合もあることに留意されたい。ニシャープールはイラン北東部にある都市遺跡で、ペルシア陶器の代表的産地であるが、1936~40年にかけてメトロポリタン美術館が行った遺跡の発掘によって大量の作例が出土した。一方、トランスオクシア(オクサス川以北の中央アジアをいう)産の陶器は19世紀末にサマルカンド(アフラシアブ)で発掘がロシア人考古学者によって行われ、多量のイスラム陶器が出土したので、古くから知られていた。今回の展示品の中にニシャープール産のものに混じってトランスオクシアナ産が含まれているのは、両方の地域が交易を通して交流があった結果を示している。恐らく、おそらく、11~12世紀頃にオクサス河以北からニシャープールに運ばれたのであろう。
今回の展示品の大半は1950年代の後半に、テヘランの古美術商の店で購入された、非常に古い収集品である。1956~59年にかけて、東京大学イラク・イラン遺跡調査団がイラン南部で発掘を行った。それに同行した朝日新聞者の記者が、同調査団団員の考古学者や美術史学者の見立てなどを参考にして購入したと思われる。いくつかの購入品が優品であるのは、そのためかもしれない。その購入品の一部は、1961年に銀座の白木屋で開催された「ペルシャ美術展」(朝日新聞社主催)に出品され、我が国においてペルシア陶器ブームが起こる「きっかけ」となった。



特別展示
夢幻の美
グラデーションの光と耀き
三代 徳田八十吉
九谷焼 人間国宝
日本画
「牡丹」
加山又造
2003年 文化勲章受章。
春の特別展示
堀越宗円遺愛の品・春
九谷焼 陶々軒造
古赤絵 牡丹図茶碗
尚古堂謹製
染め付けく美出し碗
八田窯 八田円斎
銀唐草文汲出し茶碗
シルクロードギャラリー
守田泰男コレクション 寄贈記念展
MUSEUMLIBRARY
ミュージア ムライブラリー
このたび、遠州信用金庫会長 守田泰男様より、1960年代から1980年代にかけて出版された国内外の展覧会図録を含む、多くの貴重な古書をご寄贈いただきました。このご厚意に心より感謝申し上げるとともに、これを記念して、どなたでも自由に閲覧いただける展覧会『ミュージアムライブラリー』を開催しています。
本のページをめくるたびに、まるで当時の世界にタイムスリップするような感覚、それは古書ならではの魅力です。それぞれの書籍には、貴重な文化的価値が宿り、時代を超えた物語や知識が詰まっています。ぜひこの機会に、古書の世界に触れ、特別なひとときをお楽しみください。
2025年
2月4日(火)〜4月2日(水)
4月27(日)〜5月末日まで
シルクロードギャラリーにて
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